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VUCA時代を生き残る企業変革をけん引する戦略思考人材の開発①

2021年3月31日

【企業における戦略思考人材の必要性】

1.求められる企業変革

昨今、ビジネスを取り巻く環境は、今までにないほど急速に、かつ、大きく変化しています。高速通信ネットワークの確立や、AI技術、ICT、フィンテック、ロボティクス技術等の発展によって、企業が顧客へ提供することができる製品やサービスの質的レベルは急速に向上しており、企業の事業戦略の転換が求められています。また、モノ消費からコト消費への転換、サブスクリプションによる所有から利用への転換、消費に対するインフルエンサーの影響度の向上、ネットビジネスの当たり前化、サスティナブル消費といった、顧客の価値観や購買プロセスも変化しており、企業が実行するマーケティング戦略にも大きな影響を及ぼしています。さらには、日本政府が主導する働き方改革をはじめ、働く場所や働く時間、雇用形態の多様化といった労働環境も変化しており、企業の人材活用戦略の転換も求められています。

VUCAと言われるように、企業を取り巻く環境は、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)が増しています。このようなVUCAの環境下において企業が生き残りを図るためには、過去の戦略を大胆に見直し、現状から変革し続けることが必要であることは言うまでもありません。

 

2.日本企業が変革を実現できない背景

1998年時の世界企業の時価総額ランキングにおいて、上位20社中16社は日本企業が占めていました。しかし、2019年時点の時価総額ランキングの上位20社の中には、日本企業は1社も存在しません。なぜ、1990年代終盤に世界を席巻していた日本企業が、20数年経過した現在、世界に対して遅れをとってしまったのでしょうか。企業の組織や人材面からその理由を考えてみたいと思います。

多様で劇的な環境変化が連続する現在、すべての情報をトップが把握することは困難であり、トップが示す戦略が適切でない場面が発生します。このような場面では、トップが示す戦略を、ミドル層が現場で微修正しながら対応することが求められます。

しかし、かつての高度経済成長の環境下で、需要拡大に対応するために組織を大規模化し、分業単位を細分化することで、より専門化した業務を効率的に実施できるように編成された組織体制の中で、トップが示した戦略を確実に推進できる人材を高く評価するといった価値観が組織内に浸透してきたと考えられます。

このような価値観によって、企業の成長方向や戦略を、自らが考え、行動できるミドル人材が育たず、現場で環境変化に対応しながら戦略を見直すといった行動の障壁になってきたのではないでしょうか。大規模化した組織において、権限がトップに集中し、トップにモノ申せない風潮が蔓延してしまったことも、企業変革への阻害となっていると思われます。

3.企業変革を実現できる自律分散型組織の構築

それでは、VUCAの時代で、企業が、早く、大きく、連続的に変革し続けるためには、どのような組織や人材が必要なのでしょうか。一つの方向として、自律分散型組織の構築が挙げられます。自律分散型組織とは、複雑で不確実性の高い環境下において、組織に所属するミドル人材が自律的にビジョンを掲げ、ビジョン実現のための戦略を見出しながら、分散された場所で自律的に変革を実現できる組織です。自律分散型組織は、より現場に近いところで、戦略的な意思決定を早く、大胆に行うことができる組織といえます。

 

自律分散型組織を構築するためには、次の課題解決に取り組むことが必要と考えます。

・事業戦略の策定および実行に関わる権限をミドルクラスへ分散的に移譲する

・権限の分散的移譲に適した人事評価、処遇制度へ転換する

・変革をけん引できる戦略思考人材を開発する

人材開発という視点では、特に、自らが変革を牽引し高い付加価値を生み出す戦略思考人材を開発することが必要と考えます。

戦略思考人材を育成するためには、自社の従業員のアセスメントを実施し、戦略思考のマインドやスキルが現時点で一定程度高い人材を発掘し、発掘した人材に対して真の戦略家へ育成することも一考の余地があると考えます。

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